二章

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あのパーティーから一週間が経とうとしていた。 リリアーヌの気持ちも少しは落ち着いていた。 何故かディオンもミリアクト伯爵邸を訪れてこなくなり、部屋の中で侍女たちと退屈な日々を過ごしていた。 (そろそろ反省したでしょう。コレットお姉様を許してあげてもいいわ) そう思っていたのにリリアーヌが思っていたことと逆のことが起こった。 講師達、商人や母の友人から聞かされたのは『コレットを称賛する声』と『リリアーヌの批判』だったらしい。 どうやらリリアーヌがパーティーでやってしまったことはすべて社交界では絶対にやってはいけないことだったらしい。 それをコレットが素晴らしい対応でフォローと謝罪をして回ったのだという。 つまりコレットが正しくてリリアーヌが間違えていた。 そう思った瞬間にリリアーヌは顔から火が出てしまうように真っ赤になった。 侍女もその話を聞いてから、いつものように話してくれずコソコソと何かを言いながら部屋から出て行ってしまう。 窓の外からは講師の話し声が聞こえた。 「リリアーヌ様はまるで子供のようだったと聞きましたわ!きちんとマナーを会得しませんとミリアクト伯爵家の落ちる一方ですわよ?」 「いや、しかし……リリアーヌの体調が」
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