二章

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「体調体調と、聞き飽きましたわ。だったらもうパーティーやお茶会には出さない方がいいのではないかしら。会場を元気に走り回っていたそうですわよ?はしたないわ」 それには両親も表情を曇らせている。 「わたくしの評判まで落ちてしまうから辞めさせていただきますと本来ならば言いたいところですが……コレット様の見事な対応と立ち振る舞いを見て、わたくしのもとには依頼が殺到していますの」 「コレット、が?」 「この件はコレット様がいるから水に流しますわ。リリアーヌ様の件はよく考えた方がいいですわよ?」 講師はそう言って去って行った。 その後に来た商人もリリアーヌを馬鹿にしたように鼻で笑いコレットを絶賛していた。 社交界には出来のいい姉とダメな妹という噂が広がっていると聞いてリリアーヌはゾッとした。 (どうして……?どうしてみんなはそんな意地悪言うの?) そもそもリリアーヌはずっと昔に講師から簡単にマナー教わりはしたが、実際にパーティーに出たのは初めてだったのだから仕方ないではないか。 それなのに一度の失敗でリリアーヌの地位がここまで脅かされるなんて思ってもみなかった。 (そもそもコレットお姉様がわたしの失敗を大袈裟にするから、こんなことになってしまったのよ!)
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