二章

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すべてはコレットのせい。 今まで通りそうでなければならないのだ。 困惑する両親を味方につけるためにリリアーヌはすぐに行動に出た。 「具合が悪い」「体調がよくない」と言ってまず両親と話すのを避けて部屋に閉じこもる。 両親はすっかりリリアーヌの体調を心配して、そのことしか頭になくなっていく。 それから反省の様子を見せた。 「わたしがお父様とお母様のお役に立てないのも、迷惑をかけてしまうのもすべて病気のせいだわ」 と、涙ながらに訴えていく。 両親の罪悪感につけ込むしかないと、その方法しかないと思った。 涙するリリアーヌを見て両親は悲しげに瞼を伏せる。 それからは簡単だ。 「コレットお姉様のようになりたかったの」 「ディオン様のような素敵な婚約者がいるコレットお姉様が羨ましい」 「ずっとお父様とお母様と過ごせるコレットお姉様が羨ましい」 そう論点をすり替えていく。 両親も自分たちを責められるよりも、コレットを責めた方がいいのだろう。 やはり両親はリリアーヌの思い通りだった。 リリアーヌのその言葉に両親は号泣しながら喜んでいた。 それから両親はリリアーヌと『ずっと一緒にいるため』に話し合った。
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