二章

14/48
前へ
/234ページ
次へ
それにディオンと結婚してからも、コレットをそばに置いておきたい。 何故ならば今回のように失敗した時だって罪をなすりつけられるし、領地の仕事をすべて任せられる。 まだまだ使い道はあるだろう。 リリアーヌの幸せを羨ましそうに見守ってもらわなければ困るのだ。 (ウフフ、コレットお姉様はずっとわたしのそばにいるべきよね?) コレットが部屋で引きこもっている間に、必要な手続きはすべて終わらせてもらう。 フェリベール公爵も婚約者がコレットからリリアーヌに変わっても何も言わなかったそうだ。 (可哀想なコレットお姉様……誰も味方がいないのね) 侍女にディオンが来ているからコレットを呼んできて欲しいと頼む。 ディオンはいつものようににっこりと笑っているだけ。 それからコレットではなく、婚約者とミリアクト伯爵家を手に入れたことを報告する。 そしてここにいていいと慈悲をあげた。 しかしコレットはいつものように頷くこともなく『いらない』と、リリアーヌの言うことを否定したのだ。 出て行こうとするコレットを引きとめるように侍女に頼む。 両親に助けを求めるとすぐにリリアーヌの部屋に来てくれた。 いつものようにコレットのせいにして涙すると両親はコレットを責め立てている。 (これでいつも通り……そうでしょう!?)
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1152人が本棚に入れています
本棚に追加