二章

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* * * 『お前はこれから二人を支える影となればいい!そうすれば今までのことを全て水に流してやる』 (勝手なことを言わないで……わたくしがどんな思いで今までお父様の代わりに仕事をしてきたと思っているのよ!) 『それがいいわ!リリアーヌ一人では体調に不安があるもの。それに可愛い妹を虐めるような性格の悪い女を嫁に欲しいなんていう令息が、この国にいるはずないものっ!』 (……何故、こんなひどいことが言えるの?お母様はわたくしのことはどうでもいいのね) 『ずっと病気で何もできなかったわたしに、婚約者をちょうだい?これくらいいいでしょう?』 (これくらい……?あとどれだけわたくしは自分を犠牲にしたらいいの?) 『えぇ、だって仕方ないじゃない。コレットお姉様が悪いのよ?』 (わたくしの……何が悪かったと言うの?) 『お前には失望したよ、コレット」』 (失望、ね……わたくしも、もううんざりだわ) 『これからもここにいて、わたしたちを支えてね?』 リリアーヌはそう言って満面の笑みを浮かべている。 「──いやぁあぁっ!」 コレットは痛む胸を押さえながら勢いよく起き上がった。 荒く息を吐き出しながら、割れてしまいそうな頭を押さえる。
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