二章

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全身が震えて冷や汗をかいていた。 そのまま自らを抱きしめるようにして腕を回す。 夢にまで見てコレットの心を掻き乱すことに腹立たしいと感じるのと同時に、行き場のない苦しみや悲しみを抑え込むことに必死になっていた。 一人でこの気持ちを抱え込まないといけないと思うと息を吸うことすらできなくなる。 そんな時だった。 「……コレット!?」 顔を上げた瞬間、目に溜まっている涙が頬を伝う。 こちらにまっすぐ走ってくる人物に目を見開いた。 スッとコレットの前に伸びるゴツゴツとした手のひらに戸惑い見つめていると、体を包み込まれるように抱きしめられてしまい肩を跳ねさせた。 「……っ!?」 「大丈夫ですか?もしかしてどこか痛むのですか!?何か悪い夢でも!?」 「あ、あの……」 「お願いだ。泣かないで……コレット」 何故か彼の方が泣きそうになっていることを不思議に思いながら見つめていた。 (どうして……この人の方が苦しそうなの?) コレットは強く強く抱きしめてくれる腕の中で、瞼を閉じてゆっくりと息を吐き出した。 知らない人なのに嫌だとは思わなかった。 むしろどうしてこんなに安心するのか不思議なくらいだ。 心からコレットの心配をしてくれていると、わかるからかもしれない。
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