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「もうお腹いっぱいだから……」
「コレットは細くて小さいですから、いっぱい食べてください」
「……!」
どこかで聞いた台詞だと思った。
『はい、ヴァンは細くて小さいからいっぱい食べなくちゃ』
『もういらない。お腹いっぱいだ』
『ダメよ!逞しくなってわたくしを迎えにきてね』
『……わかった』
パーティーの時、誰も来ない建物の裏で山盛りのスイーツをこうしてヴァンに食べさせていたこと思い出していた。
「わたくしがヴァンに言っていた台詞……」
「はい、そうです」
「あの時のこと覚えているの?」
「えぇ、一度も忘れたことなどありませんよ」
目の前にいる青年が本当にヴァンだと思うと驚きと同時に、堪えきれないほどの嬉しさが込み上げてくる。
コレットが両手で目元を隠すようにしていると、ヴァンが心配そうにコレットの名前を呼ぶ。
「不愉快でしたか?」
「違うわ……また会えたことが嬉しいの」
「……!」
「二度とあなたには会えないと思っていたから」
コレットは手のひらを外してヴァンを見る。
青年の正体がヴァン安心感からホッとして笑みが溢れた。
ヴァンは皿を置いてコレットを思いきり抱きしめる。
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