二章

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「ヴァン……?」 「コレット、僕がコレットを見つけるまでに何があったか話せますか?」 「……っ!」 コレットの頭の中で、あの時の苦しみや痛みが蘇る。 反射的にヴァンの肩を押してから唇を噛んだコレットを見て、彼は「申し訳ありません。急ぎすぎたみたいです」と言って腕を離してからメイメイを呼んだ。 コレットは小さく首を横に振った。 謝罪をしたいのにうまく言葉が紡げない。 ヴァンが悪いわけではないのに失礼な態度を取ってしまったことを申し訳なく思っていた。 ヴァンは膝の上で震えるコレットの手の甲に重ねるようにして手を置いた。 「コレット、ここにいてください」 「……ここに?」 「えぇ、僕は大歓迎ですよ。必要なものは買い揃えますからメイメイに言ってくださいね」 そう言ってヴァンは去っていく。 コレットはジクジクと痛む胸元を押さえていた。 (事情を説明せずに、ここに置いてもらうなんてよくないわ……でも、まだ心が痛い) あの時のことを説明しようとすると怒りと悲しみが同時に襲ってくる。 感情が大きく膨らんでしまい、コレットは言葉が出てこなくなってしまう。 しかし今はヴァンがそばにいてくれる。 それだけでコレットの心は少しだけ強くなれるような気がした。
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