二章

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メイメイは無表情で片目に眼帯をしているため表情は分かりずらいが、毎日顔を合わせているからか、少しずつ表情の変化がわかるようになっていた。 相変わらずメイメイは紅茶を淹れたり、お菓子を用意していたり一切無駄のなく素早く動き回っている。 (わたくしもメイメイのようになれるかしら……不安だわ) 自分がすぐにメイメイのように動けるようになるにはかなり時間がかかるとは思うが、できる限り努力するしかないだろう。 ミリアクト伯爵邸で自分のことはやっていたが、人のために動くとなるとまた別だ。 (役立たずって思われないように、わたくしも頑張らないと……それからシェイメイ帝国の言葉も勉強した方がいいわよね) 多少、日常的な会話ができたり聞き取れたり程度までは勉強してあるが、流暢なシェイメイ帝国の言葉はまったく聞き取れずにまだまだわからない単語も多い。 コレットは自らを落ち着かせるように深呼吸してからメイメイに声をかける。 「メイメイ、お願いしたいことがあるんだけど」 「なんでしょうか、コレット様」 「わたくし、この屋敷で働きたいと思っているの。今日、ヴァンに頼んでみようかと思っ……」
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