二章

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働くから……そう言いかけてコレットは言葉を止めた。 ヴァンが怒っているとそう思ったからだ。 ヴァンの手のひらがコレットの手を握る。 指が触れて、心臓がドクリと跳ねるように動いた気がした。 「この二週間で結構、アピールしたつもりだったのですが……コレットに僕の気持ちは何も伝わっていなかったのですね」 「ヴァン、どうしたの?」 「遠回しに言ってもコレットには伝わらないと理解しました。メイメイの言う通りですね」 コレットがメイメイを見ようとすると、こちらを見ろと言わんばかりに手を握っている反対側の手のひらで頬を押さえるようにて撫でた。 紫色の瞳がコレットを捉えて離さない。 「役に立ちたいというのなら、僕のお願いを聞いてくれますか?」 「ヴァンのお願い……?えぇ、わたくしにできることなら喜んで」 ヴァンが何か仕事を任せてくれるのかと期待したコレットは次の言葉に驚くことになる。 ヴァンはコレットの元に跪いてこう言った。 「コレット、僕と結婚してください」 「……ッ!」 「僕とずっと一緒にいて、隣で笑っていてください」 「なに、を……」 突然、コレットに結婚を申し込んできたことに驚愕していた。 しかしヴァンは冗談を言っている様子はない。
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