山の中の一軒家

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 それからしばらく僕は家の掃除をして過ごした。隅から隅まで掃除をした。小さい家だからそんなに大変ではなかった。  でも宝物なんて見つからなかった。という事は外なのだろうか。僕は外に出てみた。  車を停められる程度の空き地と親父が野菜を作っていたであろう畑があった。その向こう側は草むらや林だ。それでも踏み固められた道らしきをものがあったのでそこを歩いてみた。  たくさんの枯れ枝が道を塞いでいる。これはちょうど良い。家のお風呂は薪風呂だった。お風呂に入るには薪で火を焚かなくてはならない。薪なんてどこに売ってるんだと悩んでいたが、山ほどあるじゃないか。これで今夜はお風呂に入る事ができる。僕は張り切って枝を拾い集めた。  夢中で拾っていると、林の中でガサリと音がした。熊? 逃げなきゃ!  慌てて薪を放り出した。すると藪の隙間から尻尾が見えた。山太郎か?   熊ではないと分かると僕は落ちている薪を拾い集め家に戻った。  薪で焚いたお風呂は格別だった。お湯は柔らかいし体の暖まり方が違う。湯船に浸かり薪風呂を堪能していると、犬の遠吠えが聞こえてきた。
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