連邦

1/2
前へ
/37ページ
次へ

連邦

 私は国からスーツが渡された。白色をメインとオレンジ色のラインが各所に使われていて、レオタードのような形をしている。この星では富裕層の女性でエリートクラスの人達のみ着用が許されているスタイルだ。他には金色のブレスレッドを一対、白いブーツが支給された。  私は今後、この恰好で生活を送ることになった。高等部の教育は欠伸の連続で、講師の話は右から左へと流れて行く。最も、居眠りをしていても全く注意をされなかった。  戦闘訓練の時間は私の唯一の楽しみだった。指導者を何人も叩きのめした。最初は女性の教官だったけど、途中から男性の教官に変わったが、容赦なく叩きのめした。私にとっては実に楽しい時間だった。こんなことを繰り返していたら教官がつかなくなり、自主トレの日々になってしまったけど……。  生活の面は至れり尽くせりだった。  だが、こんな生活はあっという間に通り過ぎた。楽しい時間ほど短く感じるものだ。  私が連邦に配属される日がきたのだ。  私は一人、誰からも見送られることなく、連邦へと旅立った。  連邦での生活は規律に拘束された窮屈なものだった。学習と訓練の日々がひたすら続く。いつ実戦となっても良いように。学習はつまらなかったが、訓練は楽しかった。ここには自分の国と違って強い人がいたから、スパーリングはかなり楽しみではあった。  配属されて一カ月くらい経っただろうか。私は早速、実戦に駆り出された。某惑星に行き、強盗団を鎮圧する任務だった。私を入れて十人くらいの部隊が編成され、鎮圧を行った。私は二人の強盗を叩きのめした。他の人が何人の強盗つかまえたかは把握していないけど……。最も、把握する気はなかった。  この程度か。楽勝だ。そんな気持ちで連邦の仕事を適当にこなしていった。無理して頑張って死ぬことはない。無事にお勤めを完了して、生きてエリーナ星に戻り、富裕層の生活を送る。そんなことしか、頭の中にはなかった。  
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加