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バトルロイヤル
私達は惑星を渡り歩き悪事を重ね続けた。一つの惑星で悪事をやりまくり、目をつけられたら他の惑星に移動してはまた悪事をやり尽くす。こんなことを繰り返すことに、異常な喜びを感じていた。
「エリーナ。悪等達が集まって、戦い抜いて勝ったら、とんでもない賞品が出る大会がある。出てみないか」
「悪等同士で戦ってどうするのよ。それなら、平和のために働くバカ達を潰す方が面白いけど」
「ライバルを減らすことだって重要だぜ。そいつらが減れば、俺達の取り分も多くなるだろ」
「そういう考え方もあるけどね」
いつも何か楽しそうな事を考え出すのはバズソイヤーだ。私から提案をすることは滅多にない。私としては楽しければそれで良い。内容なんてどうでも良かったのかもしれない。だから、考える振りだけして、バズソイヤーの案に乗っていた。
「その戦いって、チームを組んでトーナメント方式なの」
「詳しくは載っていないな。出場者を募集しているだけだ。ただ、厳正な審査を行うと書いてある」
「悪党の厳正な審査って何?なんか凄く可笑しいわね」
「確かに笑えるな。面白そうだ。出ようぜ!一人でもチームで出ても問題ないってさ」
「私達は二人組。十人組のチームがいたらどうするの。勝てないわよ」
「その時は尻尾を巻いて逃げよう」
バズソイヤーは笑いながら、平然と答えた。いつもそうだ。実に無計画なのだ。行き当たりばったりが私達の計画なのだ。
それにしても、厳正な審査って一体何だろう?とても気なる事項だ。
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