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私達は相手側の厳正な審査を通過し、その大会に出場することになった。勝ちぬいた結果、もらえる賞品も気になるところだが、他の出場選手達が気になる。とんでもない強い奴がいたら逃げようかな。そんな考えを頭の中に巡らせながら、私達は招待状を入り口で翳して、会場入りした。
会場にいる悪者達は三十人くらいだろうか。一人でエントリーした者もいれば、チームでエントリーしてきている者もいる。見極めなければならない。相手が一人だったら、二人がかりで攻撃を、し掛ければ良いのだから。
会場のざわつきは止まらない。静かになることがなかった。そこは選ばれし悪党達の集まりだけのことはある。
「宇宙狭しと暴れ回っている皆さん!今日はお集まり頂き、誠に感謝する!」
突然、場内に大きな声でアナウンスが流れる。会場は一気に静まり返る。
「今から皆さんには戦いを始めて頂きます。誰と戦っても構いません。賞品は二名分準備してありますので、この戦いで行き残った二名の方に差し上げます。なお、死にたくない方は逃げ出しても結構です。会場の外を出た段階で失格となります」
賞品は二名分か。私達にとっては好都合だ。三人組で出場したチームは、自ら一人を間引く必要が出てきたからね。
「それでは戦いを始めて下さい。ルールはありません!」
私の隣の男がいきなり殴りかかってきた。私は身体を斜め下に傾けてかわし、両手でその男を払いのける。振り向く。目の前の男と目が逢う。突進して殴りかかってくる。左手で相手の右の拳を払い、右アッパーを腹にお見舞いし、衣服の首筋の辺りを掴み、足を引っ掛けて、前に倒す。
倒れた男に大勢の人達が集まり、踏みつけるように蹴りまくり、その男を完膚なきまでに叩きのめす。
なるほど、倒されたら終わりか。
目をつけられると、次々と相手が襲い掛かってくる。とにかくかわして、捕まらないようにする。後は、倒されないように最善の注意を払う。
背後に人の気配を感じた。遅かった。私は羽交い絞めにされてしまった。
前から女が私の腹にパンチを叩き込んでくる。息が詰まったような声を上げ、上体を反らせながらも、前の女を前蹴りで弾き飛ばした。
倒れた女は、他の連中の餌食になった。私は身体を右側に捻り、右腕を外し、後ろの相手の腹に右肘を何発も叩き込み、髪の毛を左手で掴み、左脚で相手の右脚の内側を払って倒す。
何人もの連中が集まり、その男を踏みつけて、打ちのめす。
こんな感じの戦いが繰り返され、人数は減っていき、残りは十名になった。その中にはバズソイヤーもしっかりと残っている。残り八名を潰せばいいだけだ。しかし、私達から仕掛けることはない。出来れば潰し合って貰った方がありがたい。
バズソイヤーに三人の男達が集まり出した。三対一になってしまう。私は一人の男に後ろから襲いかかり、髪の毛を両手で引っ張り、両脚を払って倒して、顔面を踏みつけるように何度も蹴り、動けなくさせた。
バズソイヤーも残り二人の男達を片づけた。
残り五名は潰し合ってくれた。残りは二名になった。
「スキルを使うか」
バズソイヤーが話しかけてきた。
「そうね。一人ずつ倒せば良いだけだからね」
「エリーナスプラッシュ!」
「ブラディーサイクロン!」
お互いがスキルを使い、残った二名を仕留めた。
戦いは終わった。
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