終章

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「マリア、世界を目指すんだ。できない理由じゃなく、できる口実を探すんだ。アジアで一番美しい女から、世界で一番美しい女になるんだ。そのためなら、僕はどんな手段を使ってでも、マリアを守る。だから、一緒に取ろう。世界の頂点を」 そう力説する優星の瞳は、世界で最も美しい草原に生い茂る草木のように青々としている。マリアは不思議と、全てが叶うのではないか、と思えるようになった。 「それと、まだ行ってなかったディズニーランド、アメリカにもあるから、行こうね」 「えっ?いいの?」 「もちろん。あと、NHK杯だったら行かれないだろうけど、スケートアメリカなら堂々と見に行けるでしょ?北米はフィギュアスケートの本場だよ」 「そっか。それは楽しみかも」  それにしても、自分はまだしも、グループは、メンバーはこれからどうなるのだろうか。それについても、優星から切り出してきた。 「グループの残処理は考えなくていい。いざとなったら、聞いてた話もあることだし、出る所に出るという手もある。おそらくそれは向こうも望まないだろうから、金銭で手を打つはずだ。その辺りのことは、徳島に任せていいから」
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