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両親と妹の職業や現在の様子、さらに遥のしていたフィギュアスケートにまで興味を示してくれたマリアとは大きな違いである。もっと言えば、マリアは優星の仕事や社会奉仕活動についても関心を持ち、尊重してくれている。仕事の妨げになるようなことをすることも、決してない。 その意味で考えると、モニカは真の意味で優星にとってのベストパートナーではなかったのだ。 有り体に言えば、マリアこそ、優星にとっての最高に相応しい女性なのだ。 偶然の折り重なりにより出逢い、恋に落ちた相手がトップアイドルのマリアだった。それだけの話なのだろう。 とはいえ、芸能人との交際が一般人とのそれとは違い、数々の制約を有することは承知している。特に、開けっ広げなキャラクターで売っていたモニカとは異なり、ヴェールに包まれたお高い本格派の歌い手として国民から認識されており、しかもこれまでにプライベートに関して一度も報道陣を騒がせたことがない「La reine」のセンター、マリアともなれば尚更だ。
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