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「やめるんだ。キミはスーパーアイドルグループ『La reine』のミユなんだ。こんな所で罪を犯して落ちぶれていい存在ではないはずだ」
手にしているスタンガンを見せつけ、威嚇しているミユに対し、優星は厳しい口調で忠告した。
「うるさい!私も死ぬんだ!お前らを殺して!」
「キミを犯罪者にはしたくない。それが『La reine』の一ファンとしての切なる願いだ」
そう言って、優星はミユの手から軽々とスタンガンを取り上げた。
「ファンのお願いを聞いてくれないか?立ち去りなさい。見逃します」
何か言いたげに口元をヒクヒクとさせていたが、数十秒ほどして、ミユはその場から消えていった。
ガシャン、と扉が閉まる音を立てて、ミユが出て行った後、マリアは優星の胸に飛び込んだ。
「優星!」
「マリア」
優星はマリアを包み込んだ。
「助けてくれてありがとう。もしかして、そこに落ちてるライターを蹴って、ミユの手からナイフを落とした?」
「そのまさかだよ」
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