終章

5/5
109人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
後は任せろ、とばかりに、徳島は拳を突き上げて見せた。 「徳島さん、よろしくお願いします」 メンバーはどうなってしまうのか?自分のせいでマスコミに追われるのは、やはり忍びなかった。 「それでも、マリアのことだから、メンバーの心配してるでしょ?あれだけ裏切られたのに」 ルナが廊下で佇んで悪どい笑みを浮かべていたのを、優星も気づいたのだろう。マリアはばつが悪そうに肩をすぼめた。 「大丈夫。それも含めて徳島が対応するから。マリアの件でメンバーが迷惑被らないように配慮するから。もっと頼っていいから。我々を。マリアの味方だからね。どんなことがあっても」 マリアの手をギュッと握って、優星が誓う。その瞳はキラキラとしていて、嘘偽りなど微塵もない。 「ありがとう、優星、徳島さん。では、徳島さん、リオとカノンをよろしくお願いします。あと、二人に伝えてください。ごめんね、これからも元気で頑張ってね、と」 「承知致しました」 運転席から徳島の返事が聞こえた。 宵闇に包まれた都心を車は走行する。 空港に向かって。二人の将来を乗せて。 (THE END)
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!