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後は任せろ、とばかりに、徳島は拳を突き上げて見せた。
「徳島さん、よろしくお願いします」
メンバーはどうなってしまうのか?自分のせいでマスコミに追われるのは、やはり忍びなかった。
「それでも、マリアのことだから、メンバーの心配してるでしょ?あれだけ裏切られたのに」
ルナが廊下で佇んで悪どい笑みを浮かべていたのを、優星も気づいたのだろう。マリアはばつが悪そうに肩をすぼめた。
「大丈夫。それも含めて徳島が対応するから。マリアの件でメンバーが迷惑被らないように配慮するから。もっと頼っていいから。我々を。マリアの味方だからね。どんなことがあっても」
マリアの手をギュッと握って、優星が誓う。その瞳はキラキラとしていて、嘘偽りなど微塵もない。
「ありがとう、優星、徳島さん。では、徳島さん、リオとカノンをよろしくお願いします。あと、二人に伝えてください。ごめんね、これからも元気で頑張ってね、と」
「承知致しました」
運転席から徳島の返事が聞こえた。
宵闇に包まれた都心を車は走行する。
空港に向かって。二人の将来を乗せて。
(THE END)
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