3.ジョブチェンジという可能性

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 はぁ、とロベルトに見つからないようにこっそりため息を吐いた私は、のろのろとソファから立ち上がり、ゾッとしながらドレスの積み上げられたテーブルの前へと移動した。 「これを全部、また着るの……?」 「ほら、早く着替えてくれ。グローブの次はアクセサリーも選ばなくてはならないからな」 「嘘でしょ!」 “あと何時間着せ替え人形やればいいのよ”  まだまだ終わりそうにない時間にサアッと青ざめた私は、その積み上げられたドレスの中でとりあえず目についた一着を指差した。   「ロベルト、私このドレスにする」 「は? リネアがどれでもいいって言ったからこうやって最高に似合う組み合わせを探してるんだが」 「さっきの私はそうだったかもしれないけど、今の私はこれがいい! このドレスだけが欲しい!」 “ぶっちゃけ本当はいらないけど!”  ここでどれもいらない、だなんて言うと気に入るドレスに出会うまで色んなお店をハシゴさせられるか、何度も打ち合わせをしてオーダーメイドのドレスを作ると言い出しかねないと気付いた私は近くにあったドレスの山から唯一目についたその一着を選んだのだが。
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