4.昔と違ってカタイのね

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“着替え……しなきゃ、昨日クラーラが持ってたすけすけレース、まだ暖炉の灰のはなってないよね……?”  初夜をすっぽかしたせいでこんなにへとへとになったのだ。  関係の構築と言われてももともと嫌ってなかったし、このままのペースで一か月ロベルトに付き合わされたらぐうたら生活に順応した私は過労死してしまうかもしれない。  最初からやり直す。  あの間違ったスタートの夜を。 「今晩こそ……初夜を……」  シャッとカーテンが開かれ太陽の光が目に痛い。  もぞもぞと上掛けを引き上げ頭まですっぽりと被った私は、手だけを外に出して眩しい方向を指差そうとしてハッとした。 「明るいですって!!?」  ガバッとベッドから起き上がった私の目の前にいたのは、もちろんクラーラではなくロベルトだった。   “またやってしまった!!”  ザァッと青ざめる私と、二度目だから慣れたのかそもそも期待していなかったのか、表情を変えないロベルト。 「ち、違うのよ?昨日は行こうと思ったんだけど」 「いや、構わない。そんなにすぐリネアの心が貰えるだなんて思っていないからな」
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