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5.やり直したい、あの夜を
「ふふ、ふふふ……」
「リネア様」
不気味な笑いを溢す私に少し呆れ顔を向けるクラーラ。
だが仕方がない。
「だって今の私は完全体なのだから!」
「はいはい、よくわからないこと言ってないで着替えますよ」
「はぁい」
“昼寝もしたし、今晩こそ初夜のリベンジよ!”
クラーラが用意してくれていた初夜用のすけすけレースに身を包んだ私はその上からガウンを羽織る。
向かうのはもちろん夫婦の寝室だ。
「ここに来るのは初めてね」
すっぽかした初夜。寝落ちした初夜2。そして今晩こそリベンジ初夜3。
流石に少し緊張し、ふうっと息を吐いた私はゴクリと唾を呑んで寝室の扉に手をかけた。
ドアノブを押すとキイ、と小さな音を立てて扉が開く。
“今日こそ頑張らないと”
ドキドキしながら部屋を覗くと、まだロベルトは来ていないようで。
「……というか、来る、わよね?」
ふとそんなことを考える。
私の私室にベッドがあったように、ロベルトの私室にもベッドがあるかもしれない。
初夜をすっぽかした私が言うのもなんだが、ロベルトだって来ない可能性があるわけで――
「リネア?」
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