5.やり直したい、あの夜を

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「まぁ確かに少し小さいが、執務をここでするわけじゃないからな」  さらりと告げられたその言葉に納得する。  あくまでもここは『寝室』なのだから。 「それにしても、ロベルトがちゃんと来てくれて本当に良かったわ」 「いや、俺はリネアが来て正直驚きを隠せないんだが」 「なんでよ!」  ムッとした私にふっと小さく吹き出したロベルト。  その表情がどこか嬉しそうに見えて、私の胸がじわりと熱くなる。 “な、なによ。またそんな可愛い顔するんだから”   「それに、俺には寝室がここしかないからな」 「……へ? でも私の私室にはベッドがあったけど」  思わず怪訝な顔をすると、それが至極当たり前のようにロベルトは大きく頷いて。 「リネアはいつも寝ていたからな」 「え」 「いつでも仮眠が取れるよう、私室にもベッドを用意したんだ」 “余計な気遣いなんだけどっ”  いや、私のぐうたらな生態を理解してくれていた点はありがたい。ありがたいのだが、その配慮さえなければ初夜当日私がすっぽかすこともしなかったのに、と二日連続で連れ回されることになった私は少しだけ恨めしい気持ちになり――
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