6.蜜夜を君と

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「つついても撫でても握ってもいいってことよ。だって、その」  流石に改めて言葉にするのは少し恥ずかしかったものの、けれどそれ以上にちゃんとロベルトと向き合いたいから。 「私は、貴方の……その、たった一人の妻なんだもの」 「リネア……」 「ろ、ロベルトだって私の夫よ、唯一の! だから、その、ロベルトだったら……なにをしても、いいから。だから私を、ちゃんとロベルトのモノにして」  彼を直視するのが急に恥ずかしく感じた私が顔を背けつつ、けれど彼がどんな顔をしているのかが気になってこっそり視線だけで追う。  けれど彼の表情を確認する前に、私の視界が彼の瞳の深緑でいっぱいになって。 「ん、んんっ」  奪うような勢いで口付けられ、口内が再び蹂躙される。  激しさを増したその口付けと、さっきまで躊躇いがちに手のひらを重ねられただけだった胸が、むにゅむにゅと彼の手の中で形を変える。 “この夜着、生地が薄いからロベルトの手の感触が……!”  揉まれる感覚がしっかりあるのに、薄い一枚があるせいでどこか少しもどかしい。  先端が布地で擦れるその感触は、焦らされているようにも感じてしまって。
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