最終話:微睡みの先の重ねる時間は

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 ふわりと頭を撫でられるような感覚に気付いた私は微睡みながらも少し意識が浮上する。 「起こしたか? すまない」 “ロベルト……?”  返事をしたいが、全身が怠く指一本動かせそうになくて。 「……まだ、寝てるか。はじめてなのに無茶をさせたな」  繰り返し撫でる彼の手のひらが温かくて心地いい。 「彼女が目覚めるのが楽しみだな。まだまだリネアと行きたいところが沢山あるんだ」 “…………え” 「遠駆けもいいな、昔馬に乗せてやったら喜んでいたし」 “ちょっと待って、確かに乗せて貰ったことはあるけどっ” 「そうだ、花畑にも連れて行ってやらねばな。そしてまた花冠を一緒に作りたい、今ならもっとリネアに似合うものが作れるはずだ」 “当時作ってたの、ロベルトだけだったはずだけど!”  穏やかな声色がまるで子守唄のように降り注ぎ、撫でる彼の手が私を微睡みからどんどん深い眠りへと誘うが、ここで眠ってしまっては明日の予定は乗り慣れない馬での遠駆けでお花畑に連れられるというメルヘンな予定が確定してしまう。   “だめ、だめよリネア、ここで寝たら明日もぐうたら出来ないんだからっ”
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