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「ご褒美! ご褒美じゃぁ! 瑠璃ちゃん、もっと罵って!」
「このクソ理事長がぁ! オラオラオラオラオラオラオラーー!!」
僕も怖くなってきた……。瑠璃お兄ちゃん、高校時代の校長に全く遠慮ない……。
「高校生のときは卒業できなくなったらヤバいから遠慮してたけど、今は何の問題もなく踏み潰せるからなぁ!!」
「瑠璃お兄ちゃん、もうやめて!!」
僕はつい叫んだ。瞬間、瑠璃お兄ちゃんは笑顔になる。
「そうだね。もういいかな? なぁ理事長!!」
最後の一踏み。いや蹴りだった。
「今一瞬見えた気がするーー!!」
校長はよく分からないことを言って吹っ飛んだ。あれなんだよな。お母さんの拳もおかしいけど、瑠璃お兄ちゃんの蹴りも大概おかしい。色んなものを吹っ飛ばすから……。
「翡翠、これはね、理事長にご褒美をあげただけなんだよ。これはお兄ちゃんのお仕事だから、翡翠はやっちゃ駄目だよ。もちろん風くんと水くんもね!」
フーフーとスイスイは、やっぱり抱き合ってガクガク震えながら何度も頷いていた。
「ただ安心しなよ。俺は三人のこと、しっかり守るからね! とくに十二月はね!」
瑠璃お兄ちゃんは、そう言い残して校舎に入っていった。
「帰るんじゃないんだ……」
「俺ら絶対余計なこと言わない!! なぁ水!?」
「もちろんだよ! 風!」
余計なことって何だろう? そして瑠璃お兄ちゃん、本当にどうやって猪さんに追いついたのさ……。世の中、不思議なことばっかりだ。
2024年に続くよー!
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