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10:いなくなったお爺さん
朝起きると、おじいさんの姿がなかった
「ワンワン!!ワン!ワンワン!!」
(おじいさん!おじいさんどこ!?おじいさん!!)
吹雪の中、僕は一生懸命おじいさんを探した。
気が付けば空は暗くなり始めていた。
僅かな匂いを辿って探していた僕の鼻に、おじいさんの匂いを強く感じた場所があった。
(畑の方だ!)
僕は畑の方へ急いで走った。
積もった雪が1か所だけ膨らんでいて、雪の間から少しだけ足が見える。すぐにおじいさんだと思った僕は駆け寄った。
(おじいさん!!)
「ワンワンワン!!」
そこには雪に埋もれたおじいさんが、真っ青な顔をして倒れていた
「ワンワン!!ワンワンワン!!」
(誰か!誰か助けて!!おじいさんが!!誰か!!)
一生懸命叫んだけど、この山には僕とおじいさんしかいない。誰も来てはくれなかった。
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