6:極寒の1週間

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6:極寒の1週間

(さむい…さむいよ…) (おなか空いた…お水飲みたい…) ご主人様に叩かれた体が痛くて全然動けなかった。 (この雪…食べられるかな?) 段ボールの隙間から入ってきた雪を舐めたら、とても冷たかったけど体中に水分がまわっていく感じがした。 (これならお水の代わりになるかもしれない) 僕は毎日凍えた身体を丸めて暖を取りながら、まわりに積もった雪を食べて生活をしていた。 でも、雪だけじゃお腹は満たされない。 僕の体はどんどん痩せていってしまった。 (ご主人様。早く帰ってきて) (もう悪さはしない。約束するよ…ご主人様の言うことだって聞く…いい子にするから…っ) 心の中で何度も叫んで謝った。 でも何日経ってもご主人様が戻ってくる事はなかった
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