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7:お爺さんとの出会い
「おまえ…捨てられちまったのかい?」
優しい人間の声に、僕はゆっくりと目を開けた
(…誰?)
目の前にはしわくちゃの顔で優しく微笑むおじいさんがいた。
おじいさんは震える僕を段ボールから抱き上げると、温かい布で僕の体を包んでくれた。
(あったかい…落ち着く匂いがする…)
「わしは1人でこの山の奥で暮らしておる。…おまえさんと同じ1人じゃ…」
おじいさんは悲しそうに笑った
「わんころ…こんな所にいたら凍えてしまう。わしのうちに連れて行ってやるから、そこで自由に生活するとよい」
おじいさんは僕をおじいさんのおうちに連れて行ってくれた。
温かいストーブの前で暖を取らせてくれた。
温かいミルクを飲ませてくれた。
(こんなに美味しい飲み物はいつぶりだろう)
僕はお代わりしてたくさん飲ませてもらった。
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