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正直
正直に行き過ぎてきた
何事にも上手くいかなかった
大学生の頃、ビデオレンタル店でバイトしていた
シフトで気になる女の子と相棒となった時、よくこう言われた
「えっちなビデオを店員価格で借りるのいいけど、延滞しないでね」
そんな酷いこと言っといて、彼女は決まって帰り際に、食事やお茶に誘ってきた
僕は早く帰ってビデオ見たかったので、取り合わなかったのだが、ある日、彼女と仕事終わりに喫茶店に行くことにした
「カランコロン…お好きな席にどうぞ」
(他愛もないバイト話が続き、本題がない)
「正直に言うわ、私じゃ駄目ですか…」
「正直に言うよ。だめではないけど、駄目かな」
正直僕が今結婚生活を送れているのも、その彼女と結婚したからだと思う
お互い好きに生活している
本屋に行っても、彼女はたまに、エッチな本を勧めてくる
今では少なくなったビデオレンタル店でも、わざわざアダルトの暖簾をくぐってVHSを取ってきて勧めてきたりする
「正直うざいんですけど。」
彼女は決まってそんな時、ゲバゲバと笑う
僕もつられてガハガハと笑う
正直こんな楽しい瞬間は二度とないと正直思う
何度でも 思う
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