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里芋からなんとか逃げ帰ると学校の近くに戻っていた。
「結局逃げてきちゃったけどさ、なんかやらなきゃいけなかったんじゃないの??」
私がそういうと、彼女は少し真剣な顔つきになりこう言った。
「私ね、里芋の魔物の倒し方を調べたんだ。あ、もちろん殺さないよ?っでそれを私と一緒に菜月にもやってもらいたくてさ…」
「それってどーゆーのなの…?」
「それはね…」
私は息をのんだ。
「説得させるの。里芋たちに。」
「は?え?」
な、なにを言っているのかこいつ。ついに気が狂ってしまったかと思い、ついつい冷たい目で見てしまった。
「意味がわからないのはわかる。私も正直意味わかってないし…けどこれみて!!」
彼女がスマホを見せてくる、そこには里芋の魔物の撃退法がかいてある。
里芋の魔物の倒し方!
里芋の魔物は魔物の中でも弱い魔物です。このような魔物の倒し方はたくさんありますが、一番手っ取り早いのは"説得"です。魔物と変わってしまった人達を説得させ、正気に戻すのです。身なりを整える事がポイントです。
私は読むのをやめた。
「やめときなよ!こんなの出鱈目だよ!信じちゃいけない!」
「でもこれしか頼るものがないし!他のサイトにも説得って書いてあるんだもん!」
「いやマジかよ…」
他のサイトを見てみると同じようなことが書いてあった。こんなことってあるんだな。それにしても説得なんて…
私が頭を掻きむしっていると真理は
「私、最近髪っ切ってなくてぼさぼさだから髪切らないとだよね。身だしなみ大事って書いてあったし、」
「そう…だね…。」
「本当は家の近くの美容室で髪切ってもらうと思ってたけど無理そうだね。」
「そう…だね…。」
私は半分、思考停止してしまっていた。しばらく沈黙が続いた。
真理は少し考えこんでから、小さく頷いて呟いた。
「あそこに行くか…」
「え?どこ?」
「知らない?ここら辺に、できたんだよ。ほら、この道。」
「え、でも今日の朝見た時にはそんな道は…えッ。」
そこには見たことのない道が出来ていた。狭い道なのに道の向こうは日が綺麗に照らされていて、眩しいくらいに光っていた。
「ここ!ここ!」
彼女はその細ーい道を通っていった。
「え、ちょっとまって。」
私も後を追いかけるように細い道に入った。
「あれ…?」
さっきまで細いと思っていた道がずいぶん広く感じる。車2台余裕で通れそうだ。
その道は階段になっていて隣には風情のある建物がたくさん建っていた。
「面白いよね。ここ。秘密基地みたいでね。」
秘密基地というよりまるで…
「不思議な世界に迷い込んだようだ…」
「え〜?どしたのいきなりメルヘン笑笑」
「は~?メルヘンじゃないし!!」
「「…落ち着くね…」」
さっきまでの空気感と違ってものすごく和やかだ。
木漏れ日のような淡くほんのり暖かな日差しが、私達を包む。
のほほんと私たちが階段を登っていくと、一番上までついていた。
「でっっっか‼️」
そこには今まで以上に大きな屋敷が建ってた。
私が呆気に取られてると
「あ!ここだよここ!」
「え?」
私が振り返ると、真理が屋敷の前の建物を指差した。
そこは今までの建物と全く違ったコンクリートでできたようなおしゃれな建物だった。ドアはガラスでOpenと看板がかけてある。
「前ぽけーと歩いてたら見つけたんだよね。ここの人、めっちゃっ髪切るの上手なんだよ!」
そう言って彼女はドアを開けた。
「いらっしゃい。」
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明けましておめでとうございます!
更新遅くなってすみません…
書いていたら思ってたより長くなってしまったので、もう少し長くなりそうです。
暖かい目で見ていただくと嬉しいです♪面白かったり疑問など気軽にコメントしてください!!
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