6人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
真理と一緒に彼女の帰り道をぶらぶらと歩く。懐かしい。二年ぶりぐらいだろうか…。
そう、しみじみしていると、あたりは畑だらけになっていた。彼女の家はトマト農家だ。
(そういえば一緒にしてほしいことがあると言われてきたのだったな。忘れていた。)そう思い、真理の方を見ると彼女の顔はすごくこわばっていた。私なんかに目もくれず、ずっと砂利道を見ている。少し息遣いが荒く、何かにおびえてるような、緊張しているような顔だった。
(おかしい。)彼女はどっちかというと明るくひょうきんな奴だ。
(それなのにこんな顔…)私は心配になって彼女に話しかけた。
「大丈夫??あと、一緒にしてほしい事って…」
真理は一瞬ビクッとした後にひきつった顔でこう言った。
「実は…」
そういった瞬間…
『ぶぉんっ』
遠くのビニールハウスから大きい音がした!と思ったとたん、勢いよく何かが飛び出してきた。
「っ!?!?」
「なにっ…あれ!?」
私がそう言った瞬間、真理は私の手を引いて全力で今まで通った道を走りだした。
「なんなの!?」
「さ…もだよ」
「え?なに!?」
「里芋だよ…」
「さ、え!?さといもっ!?」
「そう!!里芋の魔物だよ!!なんでかわからないけど今日朝起きたらお母さんと近所のおばさんたちがみんな里芋にされていたんだよ!!」
私は全力で走りながら後ろの里芋をよーく見てみると、なんということだろう!里芋がエプロンを着ていたり、お玉やしゃもじを持っているのではないか!!ど、どういうことだ!!てか、初めて見る魔物が里芋って…
途端に笑いが込み上げてきた。
「っふwははっwwなんだよあれwwwははっwはははははははwww」
「笑ってる暇じゃないよ!!追いつかれて、噛まれたら私たちも里芋になっちゃうんんっwだっwwよwなんで里芋になんだよぉwww」
気がついたら私たちは大爆笑しながら大爆走していた。
___________________________________
なんとトマト農家が里芋になっていました。夢というのは残酷ですね。
ここから同じ夢か分からないぐらいの急展開です。お楽しみに…。
最初のコメントを投稿しよう!