新しいお葬式

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 近所の人が亡くなり、葬式に参列することになった。  葬儀会場は、少し前に近くにできた会館だ。それを聞いただけで葬式に参列するのが楽しみになった。  だってあそこは『新しいお葬式』を売りにしているからな。  といっても、仏式神式などの様式に合わせ、お坊さんやら神主さんやらが来て拝んでくれるところは一緒。違いは厳密に『葬儀』の後なんだ。  式が終わると、普通は専用の車に遺体を乗せ、その地域の火葬場に向かうのだけれど、あそこの葬儀会館は専用の火葬場を持っていて、みんなでそこへ向かうんだ。  そして、そこで参列者に焼き肉を振舞ってくれる。  肉の量はほんの少し。それでもみんな、その肉がよそでは食べられないものだと知っているから、たとえ一口だけだとしても、喜んで火葬場にまでつき合うんだ。  故人の骨を拾う代わりに肉を取り込む、『新しいお葬式』。  最初は絶対無理だと思ったけれど、今ではあの肉の味が癖になって、実は内心、近所でもっと頻繁に誰か死なないか望む程だ。  新型葬式大いに結構。ああ、今度の式も楽しみだ。 新しいお葬式…完
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