ナミダ花火

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「……え? それじゃあ学校の成績が落ちて、怒ったお母さんに今日までスマホを没収されてて。今までずっと、連絡出来なかったってこと?」 「ああ。そうだよ」 「バカじゃないの? 大地。学校の成績落ちるくらい夢中になってたって、どれだけサッカー好きなの?」 まあ、大地らしいけどね。 花火を見終わった私と大地は、ふたり一緒に屋台で買ったかき氷を食べていた。 「バカって言うなよ。バカでも、一番大切な約束はずっと覚えてるんだから。別にいいだろ?」 「えっ?」 「鈴華と、毎年ここで一緒に花火を見るっていう約束」 胸が、きゅんと鳴るのを感じた。 大地は親にスマホを没収されていて、メッセージを見れない状況の中でも、私が今日お祭りに来ていると信じて来てくれた。 そして、連絡がとれずにどこにいるかも分からない私を、夏海ちゃんと一緒に懸命に探してくれていたのだから。 「ごめんね、大地。今日、来てくれてほんとにありがとう」 「それは、鈴華も一緒だろ? 今年もちゃんと来てくれたじゃねぇか」 大地が優しく私の頭を撫でる。 「そうだ。鈴華に言い忘れてたことがあった」
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