ナミダ花火

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大地に言われたとおり、私が右手を差し出すと。 手のひらに、サッカーボールのストラップが置かれた。 サッカーボールのそばには、金色の小さい鈴もついている。 「えっと、大地……これは?」 「サッカーボールと鈴だけど? なんかこれ、ふたつが仲良く寄り添っててさ。俺と鈴華みたいだなって思って」 私と、大地? 「サッカーボールは、サッカーが好きな俺。 んで、金色の鈴が鈴華。これ持ってたら、お互いのこと忘れないでいられるかなって思って買ったんだ。離れてても一緒だぞって」 大地が、ズボンのポケットからスマホを取り出す。 そこには、私がたった今貰ったストラップと同じものがついている。 「ちなみにこれは俺とお揃いだから。その……ペアルックとかそういうのが嫌なら、別に捨ててくれても……」 「ううん、捨てるわけない」 私は、ストラップをさっそく自分のスマホにつける。 「ありがとう大地。大切にするね」 「おう。なあ、鈴華」 「なに?」 大地が、急に真剣な顔つきになった。 「その、お前は俺の……一番大事な女だから。これからもずっと。それだけは覚えといて」
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