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「まぁ、こんな素晴らしいドレス、貰っても良いの?」
アンは、うっとりと、ドレスを眺めながら言う。
「はい、一番最初に織りあがった布は、王様のローブに
二番目に織りあがった布は、アン様のドレスにと、決めていたのです」
こんなドレスを着る機会は、そうそう無いと思うが
王宮で開かれる、晩餐会に着たら、ウィリーも喜んでくれそうだった。
アンは、そのドレスを、ビルクリードにも見せて、お礼を言った。
ビルクリードは、アンが、このドレスを着た所が、見たいものだと言った。
やがて、秋は深まり、サツマイモを掘る季節になった。
アンは、ポシェットで増やしていた、軍手を皆に配り
芋の掘り方を教え「さぁ、今、言った通りに掘ってね」と、掘らせる。
「こんな大きな芋が、こんなに沢山出来てる!!」
大人も子供も、目を丸くして驚いた後、大喜びで、せっせと掘って行く。
アンは、畑の傍に作った、簡易竈で、その芋を蒸かした。
掘りたてなので、甘さは、それほどでも無いが、ほくほく感は素晴らしく
「美味しい!!」と、初めて食べるサツマ芋に
ウィリーをはじめ、全員が、大喜びする。
「熟成させると、うんと甘くなるのよ」アンは、熟成させた芋を
焼いて食べさせたら、もっと喜ぶだろうな~と思う。
芋堀りに参加した皆は、沢山の芋を貰って、嬉しそうに帰って行く。
アンは、サツマ芋を、菓子職人の所へ持って行き
サツマ芋を使った、色々な、お菓子を教えてやる。
「こんなに甘い芋が、有ったんですね~」職人たちも、驚きながら
サツマ芋を使った、お菓子にも、目を瞠る。
サツマ芋を煮て潰し、きんとんにしたり、芋羊羹を作ったり
スィートポテトを作ったりと、様々な、お菓子を作ったが、意外にも
簡単に出来るのに、とても美味しいと、評判が良かったのは、大学芋だった。
「やっぱり?実は、私も大学芋が、大好きなんだよね」
アンも、出来上がった大学芋を、頬張りながら言った。
基本さえ、教えて置けば、後は、職人が工夫するだろうと、任せる。
収穫したサツマ芋は、大きな物は、来年の苗を取る、親芋として保存され
その他の物は、市場に卸され、食べ方のレシピと共に、買われて行った。
アンは、エルフの国にも行って、サツマ芋を収穫させた。
レイックスと同じ様に、掘ったばかりの芋を、蒸かして食べさせる。
「甘~い」「ほっくほくだ~」子供達も、大人も、大喜びする。
「この芋は、冬用に、保存できるからね」アンは、そう言って
保存の仕方を教える。
「食べ物が、少なくなる冬に、これが有ると心強いな」
ビルクリードも、そう言って、旨そうに、サツマ芋を食べる。
家に、サツマ芋を持って帰ったアンは
サツマ芋を、オリーブ油で揚げて、芋天にして、おやつに出した。
「これは、旨い!!」「美味しい!!」「初めてですが、美味しいですね~」
お茶を、ご馳走になろうと来ていた、コネリーとジリアンも
フレイラと一緒に、大喜びする。
スノーも、自分の部屋で、貰って食べ
「これは、天婦羅なのに、おかずじゃ無くて、おやつですね~」と言う。
「衣を付けずに揚げて、蜜を絡めたら、大学芋って言う、おやつになるよ」
アンが、そう言うと「明日は、是非、そのおやつを作って下さい」
スノーは、目をキラキラさせて、頼む。
翌日、その大学芋を「美味しい、美味しい」と、夢中で食べたスノーは
口の周りを、蜜だらけにして、フレイラに笑われたが
そのフレイラの口の周りも、蜜だらけだった。
病気の治療のため、入院します、暫くは、書けないと思います。
いつも、読みに来て下さっている皆様、申し訳ありませんが
退院するまで、待ってて下さいませ、宜しくお願い致しますm(__)m
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