醤油造り

12/12
34人が本棚に入れています
本棚に追加
/149ページ
アンは、海苔が入っている缶を、ポシェットに入れて増やした。 ウィリーは、自分の分の缶を持ち 「これは、料理長のバップに」と言う。 「そうね、それで、王様と王妃様にも、美味しい巻寿司を 作って貰いましょう」「ああ、きっと大喜びするぞ」 ウィリーは、浮き浮きした足取りで、王宮へ帰って行った。 その姿を見送ったスノーは 「ウィリーは、お餅を焼いて、あの海苔で巻いて食べると思いますね」と言う 「そんな事を思うなんて、スノーも、お餅を食べたいのね?」 アンがそう聞くと「はい、出来れば、、」 スノーは、ちょっと恥ずかしそうに言う。 「じゃ、明日の朝食は、お餅にしましょう」アンが、そう言うと 「わぁ~有難う御座います」スノーは、大喜びする。 翌朝、スノーは、何時もなら、パンとミルクだが 焼いた餅に、醤油を掛け、海苔で巻いた物を 「美味しいですね~」と、せっせと食べる。 「餅好きな猫なんて、見た事も無いけど、、喉に詰まらせないでね」 アンも、磯辺餅を食べながら、そう注意する。 「私、初めて食べますが、こんな美味しい物が有ったんですね~」 フレイラは、餅の美味しさに感動しながら、せっせと食べる。 すると「アン様、おはようございます」と、やって来たのは 林業長官のシアンと、醤油の醸造をしているマルコムと、リーだった。 「何だか、香ばしい匂いがしていますね~」三人は、鼻をひくひくさせて言う 「皆さん、早いわね~お餅を焼いたの、一緒に食べる?」 アンがそう言うのを待っていた様に、三人は「是非」と、声を揃えて言う。 もう、食べ終わっていたスノーは、自分の部屋に引っ込み アンは、フレイラに手伝わせて、餅を焼き海苔を巻く。 餅を知っているリーは「こんな美味しい食べ方が有ったなんて、、」と、言い 餅が有る事は知っていたが、食べた事が無いマルコムとシアンは 「こんなに美味しい物だったなんて」と、驚きの顔で言う。 「お餅だけでも美味しいけど、ジリアン長官が作っている、この海苔が 一段と美味しさを増しているのよね」アンがそう言うと 「この海苔ですか?ジリアン様が作っていらっしゃるのは」 マルコムは、手に持っている餅の海苔を、しげしげと見る。 「これは、海苔巻きとやらにも、使っていた様だが」シアンが、そう聞く。 「ええ、そうよ、海苔巻きも美味しいけど こうしてお餅や、おにぎりに巻いても、美味しいの」「なるほど~」 「海苔が、市中に出回るのは?」「もう少し先かな~」 「そうなれば、また、我が国の食生活が、豊かになりますね」 と、マルコムが言い「そうだな、これもアン長官のお陰だ」 シアンは、そう言って、最後の一切れを、口に入れた。 「お餅には、やっぱり緑茶が良いよね」アンは、皆にも、緑茶を入れてやる 「美味しい!!我が家も、この頃は、緑茶を飲む機会が増えましてね」 と、シアンが言うと「私もです、特に、朝一番のお茶は 身体を、しゃんとさせてくれます」と、マルコムも言う。 三人は、来た用も忘れて、お茶を飲み、まったりしていたが リーとシアンは、思い出したように 錨を作りたいから、アーガスに材料を注文して欲しいと言う。
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!