『午後4時の番犬』

1/1
前へ
/1ページ
次へ

『午後4時の番犬』

c42b2b9a-dd7f-40bf-a4e6-2857337085fa    吾輩は犬である。  ただの犬ではない。  時間のわかる犬である。  午後4時と16時が一緒ということも知っている。  そしてなにより、この家の番犬である。  家の前に座り、怪しい人物が近づいてこないか見張っている。  午後4時になると家の前を下校中の小学生が通るのだが、吾輩のことをやたらめったらに撫でてくるのである。  あまりに気持ちがいいので、この時ばかりは自分が番犬ということを忘れてしまう。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加