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『午後4時の番犬』
吾輩は犬である。
ただの犬ではない。
時間のわかる犬である。
午後4時と16時が一緒ということも知っている。
そしてなにより、この家の番犬である。
家の前に座り、怪しい人物が近づいてこないか見張っている。
午後4時になると家の前を下校中の小学生が通るのだが、吾輩のことをやたらめったらに撫でてくるのである。
あまりに気持ちがいいので、この時ばかりは自分が番犬ということを忘れてしまう。
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