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ある日のことだった。
我が家にダックスの仔犬がやってきた。クリーム色のそいつは、よく食べよく遊び、そしてあらゆるものを壊しまくった。
父の靴下と私のパンツは、さっそく餌食となった。決してその辺に置きっぱなしにしていたわけではない。しかし、生後2ヶ月の仔犬は、洗濯籠という宝箱を見つけてしまったのだ。
先週買ってもらったばかりの、ひよこのパンツ。まだ3回しか履いていない。
母が「このひよこの顔、あんたにそっくりじゃない?」と私の顔と並べたものだ。
それはもう、穴が開いて涎だらけだった。正面についていたオレンジのリボンも、見当たらない。
悲しんだのか怒ったのか、覚えていない。しかし小学2年生の私には、仔犬はペットで妹で、ちゃんと愛せるようになるまで、少し時間がかかったような気がする。
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