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あちらこちらに這いつくばり、最後の綿を回収したと思われた時だった。
テーブルの下に、小さな円柱状の何かが落ちている。仔犬が飲み込んだら大変だ。急いでそれも回収した。
それはプラスチック出てきていた。ところどころ、抉られている。小さな歯形は、仔犬を強く連想させる。いったいこれは何なのだろうか。
あ、と思って、私はそれを縦に振った。それは聞いたことのない大きさで、「フユフユ」と鳴った。
フユフユは生きていた。そして私の手の中で歓喜している。
フユフユ、フユユ――。
仔犬も勢いよくかけてきた。私たちは一緒になって喜んだ。
私はフユフユを――フユフユの本体を、もう手放さないと心に決めた。お気に入りの音だから。
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