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うっわー。
なにこれ?
めっちゃ美味いー!
噛めば噛むほど旨味が口の中いっぱいに広がって、鼻に抜ける香ばしい絶妙なバランスの香辛料。
涎が止まらん。
いや、食べる前から美味そうな匂いプンプンさせてたから、分かってはいたんだけど。
いやー、このきび団子って食べ物作った人、神だね。
夢中になってきび団子を堪能していると、上から声が降ってくる。
「じゃ、犬くん。鬼退治のお供、よろしくねっ」
見上げると声の主である桃太郎さんが腕を組んで見下ろしている。
軽っ。
鬼を倒しに行くんだよ?
いいの、そんな感じで。
まあ、戦闘力と忠誠心を兼ね備えている犬の僕を最初に選んだ辺りは見る目があると認めよう。
「はい、お供いたします」
さすがにきび団子を頂いておいて「やっぱ嫌です」とは言えない。
覚悟を決めた僕に向かって桃太郎さんは、
「俺の事、追い抜かないでよね。犬だけに」
あはははは、と豪快に笑っている桃太郎さんへ愛想笑いを返せば、嬉しそうに先を歩いていく。
しかし、あの巾着袋の中にはまだ、きび団子入っているみたいなんだよな。
また食べたいな。
あ、涎出てきた。
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