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「桃太郎とかいう侍が鬼ヶ島に乗り込んでくるらしいぞ」
そんな噂が流れると、俄かに鬼ヶ島界隈がザワついた。
鬼の権力者たちが集まり対策会議が行われ、
「油断は禁物だ。念には念を入れて刺客を送り込もう」
そして選ばれたのが犬の僕だ。
人が変化して鬼になったりするが、犬も同じである。
『普通の犬に化けて桃太郎の仲間になり、隙をついて仕留める』
それが僕に与えられた任務。
潜入捜査をする捜査官を警察の犬と呼ぶが、さしずめ僕は鬼の犬である。
今の所、桃太郎の実力は分からない。
弱ければ鬼に殺されてお終いだろうし、強かったらその時は隙をついて首に噛みついてやる。
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