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「おーい、その美味そうな匂いしてる物、ちょーだい」
「じゃあ、鬼退治付き合ってくれん?」
僕の主人は木の上にいる猿に向かって声を張り上げている。
「えー、だったら面倒だからやめとく」
猿は嫌そうな顔を隠そうともせず、手をひらひらと振っている。
「じゃあ、きび団子はあげられないなー」
「え?いや、嘘嘘。鬼退治付き合うから、そのきび団子とやらを下さい!お願いしますっ」
猿の奴も匂いで分かるんだろうな、きび団子が美味そうだということを。
素早く木から降りてくると、土下座する勢いで桃太郎の足に縋りついている猿。
もう猿の事、支配してる。
この人、天然なのか計算なのか分からん。
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