新解釈桃太郎

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「ねえ、(きじ)くん。鬼退治手伝ってー」 今度は雉に声を掛けている。 この軽さには、もう驚かない。 仲間を選ぶ基準とかあるのかな。 いや、むしろ飛べる雉を選んだ辺り、ちゃんとした考えがあると見た方がいいのか。 飛べる分、先の状況を偵察してもらえるし、鬼は飛べないから空中からの攻撃なら有利だ。 この人がそこまで考えたのだろうか。 「きじ()んと仕事してねー。雉だけに」 あはははは、ちょっと苦しかった?いやいやダジャレは瞬発力っすよ、と猿と一緒になって大声で笑いあっている桃太郎さん。 (たか)(わし)じゃないのは、偶々(たまたま)近くにいなかっただけなのだろうか。 まさか、鷹や鷲の気高い雰囲気に気後れしたとかじゃないよね。 恍惚の表情を浮かべきび団子を食べている雉を見ていると、まあいっかという気持ちになった。 「私の全力を持ってお供させていただきます」 桃太郎さんの前に(ひざまず)き頭を下げている。 礼儀正しい奴だな、猿よりは仲良くなれそうだと思った。
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