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 シアらしくない言葉が積み重なり、周囲が一層重い空気に包まれた。発作的に喋り続けようとするシアの肩を両手でグッと掴んで、喋るのを止めさせる。細い肩が……小さく震えていた。  馬鹿なことをした。自分の好奇心を満たすだけのために、配慮なくこいつの地雷を踏みぬいてしまったんだろう。  薄い掛け布にくるまって横になった華奢な身体を見つめながら、俺はちゃんと調べようと決意した。稀人という存在の意味を……本人に尋ねる以外の方法で。  どうしても知りたくなった。この小憎たらしいのにどこか憎めない男が怯え、藻掻き苦しんでいる理由を。追手の不自然な様子も気になる。  ――俺よりひと回りは若いだろう青年に、国の権力者が私欲でなにかを背負わせている。それが間違いなく、彼の心までもを蝕んでいることはわかった。
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