君は僕の愛しい人

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 僕と君では生きる時間は一緒ではないんだ。  泣かないでよ。僕の大好きな人。  悲しませたいわけじゃないんだ。  でも、君のことを大好きなことは変わらないし、生まれ変わって大好きな君のところへ戻ってくるから。  僕の言葉は、君に届かないのは知ってる。でもお願いだから泣かないで。  力を振り絞って君の零れ落ちる涙を舐めとる。 「空」 「くぅん……」  最後に絞り出すした「愛してるよ」の声は、かすれて微かにだけ君の耳に届いただろう。  君の温かい手が頭を撫でている感覚と、名前を呼ぶ声は聞こえるのに、君の顔はもう見えそうにない。  次は、どうか、犬じゃなくて君と共に歩いて、言葉を交わして、同じものを見て、同じように生きられる人間に生まれ変わりたい。 Fin
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