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優しく撫でてくれるだけで最初は満足だった。
見つめあって時々キスをして、長い時間を二人でずっと過ごしてきた。
出会いは確か、君が六歳の頃。小学生になりたての君は、ランドセルを背負ったまま僕を抱きしめた。幼なじみのような、兄妹のような僕らを両親たちも微笑んで見ていた。
「大好きよ空」
ギュッと僕を強く抱きしめて、優しく耳元で囁く、その声が大好きだった。
君のその言葉が嬉しくて嬉しくて、僕も毎日大好きを返して君を強く抱きしめていたね。
確かに、君と僕は恋人だった。
でも、君と僕はもうさようならだ。
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