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フーダスは村を去った。
噂では、湖に浮かぶどこかの無人島で贖罪の日々を送っているという。
「貴方はどうするの?」
「俺はエル・デンを復興する」
「残念、一緒に来てはくれないのね。では、せめて」
シモーネは彼の絵画を高値で買い取った。
これで復興の役にも立つだろう。
フワンの目は有毒ガスで視神経が冒されたのだった。
昏倒した彼を犬たちが運ばなければ、そのまま中毒死していたはずだ。
フワンの傍らには新たなパートナーがいた。
パブロと名付けられた犬だ。
曖昧な記憶に眠る石碑の犬のように、パブロの尻尾は未来に向かっている。
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