すみれノート

1/5
前へ
/5ページ
次へ
 横断歩道を渡る手前、信号が青に変わるのを待っている僕の足元に、一匹の白い犬がいる。  ――いや。  一匹の、小型犬の幽霊がいる。  透けた体のその犬は、僕の足にすり寄って離れようとしない。   「えっと……なに?」  それは、まったく見知らぬ犬だった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加