すみれノート
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横断歩道を渡る手前、信号が青に変わるのを待っている僕の足元に、一匹の白い犬がいる。 ――いや。 一匹の、小型犬の幽霊がいる。 透けた体のその犬は、僕の足にすり寄って離れようとしない。 「えっと……なに?」 それは、まったく見知らぬ犬だった。
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