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『我々は人の、最も忠実な友であれ』誰もが、母に……そうでなければ、姉か兄に言い聞かされ育つ言葉だ。  だからきっと、『彼』もその言葉とともに育ったのだろう。  私は、TVの画面に響く『彼』の遠吠えを聴きながら思った。  TVのニュース番組は、どこかの街の戦争というやつの映像を流していた。  瓦礫と化した街、砂埃と瓦礫だけの街の中で『彼』は悲痛な思いの滲む遠吠えをあげ続けている。  その横には血溜まりに倒れた、少年の姿があった。 「あー、また戦争か……見たくないし、チャンネル変えるか」  私の主人は、そういうとリモコンのボタンを押し、お笑い番組に画面を変えた。  人の笑い声が、『彼』のありったけの痛みの遠吠えをかき消していって、私は頭を下げ目を瞑るしかできなかった。  すまない同胞よ……ここにいる私は君の、TVの中の君の、最愛の友を失った君の悲しみに応えられない……。
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